こちらで整備したCentreNET PC/TCPのネットワーク環境を使用してHDDの無い98にRAMドライブを生成し、外部からソフトを送り込んで起動する環境を整えます。
FTP経由で受取るソフトやFEPを格納するためのRAMディスクを作ります。
Cバスを確保したいため拡張メモリはPC-9801DX内部にある専用メモリ拡張コネクタに増設した6MBメモリです。
今回はカノープスのSPARK2でPLUS-180TWINを動作させるのが目的の環境ですのでMS-DOS3.3以前のDOSを使用する必要があり、ちょっと不自由な環境です。
(SPARK2はSETVERでは騙せないようです・・・^^;;;)
MS-DOS3.3といえば3.3Dを使いたいところですが、手持ちは3.3Bしかないので3.3Bでいきます
(3.3Bと3.3Dの違いをご存じの方、是非教えて下さい)
拡張メモリの拡張とRAMディスクの生成はメルコのMELWARE Ver4を使いました。
MELWAREの自動設定で拡張メモリの設定はこんな感じにします。
RAMディスクの割当てはこんな感じです。
EMS領域に1024KB開けているのはCentreNET PC/TCPのイーサネットドライバがEMS領域を扱えるっぽい為です。
ディスクキャッシュも少し割り当てたいところですが全体で6MBしかないので、今回はRAMディスク優先でいきます・・・^^
これで5120KBのRAMディスクを確保できます。
MS-DOSが3.3BなのでDOSをUMBなどに移動できないようですが、パケットドライバ、イーサネットドライバ、RAMディスクを確保してコンベンショナルのフリーエリアは476KBあります。
これなら上出来ではないでしょうか^^;;;
(メモリのチューニングに詳しい方、アドバイス下さい)
RAMディスクが確保できたので、MS-DOS起動時に外部からファイルを転送して、解凍後に起動するように整備します。
FTP転送ではFTPサーバへログインが必要なのでAUTOEXEC.BATに書けないのでTFTPで転送します。
PC-9801DXのRAMドライブに展開する圧縮ファイルの準備。
FTPでRAMドライブ宛てに圧縮ファイルを転送して展開してから圧縮ファイルを削除するので5MBフルには転送できません。
今回はプログラムとFEPの2つに分けて転送しています。
PC-9801側で扱えるようにアーカイバーはLHAを使います。
①PC-9801DXのRAMドライブに展開したいソフトウェアのフォルダ一式をDXPACK1.LZHで圧縮しTFTPサーバに置く。
(CentreNET PC/TCPのコマンドは全て転送しておくとPC/TCPの機能がフルに使えて便利)
②RAMドライブに展開したいFEPの辞書ファイルをDXPACK2.LZHで圧縮しTFTPサーバに置く。
③AUTOEXEC.BATにTFTP転送とLHAによる展開を組み込む。
SET PROMPT=$P$G COPY COMMAND.COM C:\COMMAND.COM A:\LGY98\PKTDRV\LGYPKT 0x60 3 0x40D0 SET PCTCP=A:\PCTCP\PCTCP.INI A:\PCTCP\ETHDRV PATH=A:\;A:\TOOL;A:\PCTCP;B:\;C:\TOOL; C: TFTP GET C:\DXPACK1.LZH 192.168.0.7 DXPACK1.LZH LHA X C:\DXPACK1 DEL C:\DXPACK1.LZH TFTP GET C:\DXPACK2.LZH 192.168.0.7 DXPACK2.LZH LHA X C:\DXPACK2 DEL C:\DXPACK2.LZH A:\FM
こんな感じで組込みました。
使い始めたらCドライブをカレントで使うのでCドライブにCOMMAND.COMをコピーしておきます。
5行目でLGY-98のパケットドライバ組込み。
7~8行目でCentreNET PC/TCPのイーサネットドライバ組込み。
12~15行目でTFTPでソフトを転送してLHAで解凍し解凍完了で圧縮ファイルを削除。
17~19行目で同じくTFTPでFEP関連のファイルを転送し解凍後削除。
これで電源投入でソフトとFEPが一式転送されて起動する、なんちゃってネットワークブートが実現できました。
CONFIG.SYSはこんな感じ。
BUFFERS=20 FILES=30 BREAK=ON DEVICE=MELEMM.SYS /F1 /JV64 /NE DEVICE=MELDISK.SYS 5120 /S DEVICE=ATOK7A.SYS /D=C:\FEP\ATOK7.DIC DEVICE=ATOK7B.SYS SHELL=COMMAND.COM /P LASTDRIVE=Z
ATOKのFEPドライバはCONFIG.SYSに登録するので後から転送する訳にもいかずFD内に入れています。
辞書のみ後から転送してCドライブに展開し/D=C:\FEP\ATOK7.DICで指定します。
MELEMM.SYSとMELDISK.SYSはMELWAREが生成したものです
起動時の様子はこんな感じです^^
拡張メモリが確保されてRAMディスクが5120KB確保されました。
5MBのRAMドライブはなかなかのお大尽です。
PC-9801DXは13MB迄増設できるようなので、拡張メモリ欲しいな・・
まずはメルコのLGY-98用パケットドライバがロードされます。
次にCentreNET PC/TCPのイーサネットドライバがロードされます。
Using 6 EMMPages
Only 0 EMM Pages available (need 6)と出ているのでEMM領域は使えていないようです。
これは要調査です^^;;
TFTPでソフト一式のアーカイブファイルを転送してCドライブ(RAMディスク)に展開します。
約1.01MBのファイルが37秒で転送できています。やっぱりイーサネットは速いです。
ソフト一式の転送が終わるとFEP関連のファイルを転送してCドライブに展開します。
ファイルの転送速度は速いのですが、CPUが286なので解凍はそんなに速くない印象です。
それでもRAMドライブに対しての解凍なので速いほうなのかなぁ~^^;;;
ファイル一式の転送と展開が終わったらファイラが起動して起動完了!
転送したプログラム類も問題なく使えます^^
起動時の一連の動作は自動なので、時間はかかりますがネットワークブート風の起動は便利です^^
HDDが無くても特に実用性に問題は感じません!
とは言いつつ、PC-9801DXにIDEのディスクが接続できればIDE-CF変換のディスクを取付けてしまうでしょうね・・・
SCSI変換機は高価すぎて手が出ません^^;;;
FDDにもあまりアクセスしないので、デッキの寿命を減らさずに済みそうです^^
非力なPC-9801DXでイーサネットの機能を楽しむのもいいですね。
PC-9821Ra43のWindowsでNetBEUIを入れると普通に扱えるイーサネットのファイル共有ですが、MS-DOSでFTPを使ったファイル転送もまたレトロでいいですね。
実用性とノスタルジーをあわせ持ったパケット&イーサネットドライバ活用の記録・・・