PC-9801DXでネットワークブート風の環境整備 その1

Last Updated on 2022年9月8日 by kabekin

メインで使い始めたPC-9801DXですが、HDDが無いのでフロッピーオペレーションで使っています
令和の時代にこれでは不便なので、いにしえのTCPソフト アライドテレシスのCentreNET PC/TCP Ver6を引っ張り出して機能アップしてみました。

素直にHDDを増設すればいいのですが、HDDは運転時間のライフアップで壊れてしまう消耗品なので、老後の楽しみに残す意味では今寿命を縮めるにはもったいないです^^
作業ファイルもFTPで転送するのでFDDへのアクセスも起動時のみとFDDへの負担も最小限です。

ファイル転送がFTPなのでフロッピに入りきらない大容量ファイルの扱いも簡単です。
FTPサーバ側でフォルダをGit等で直接管理できるのでPC98で開発しているファイルを直接管理できて便利^^

と、いうわけでRAMを6MB増設しRAMドライブを5MB確保して、ここにリモートから必要なファイルをロードするリモートブート風の環境に仕立て上げます。
(PCTCPのETHDRVがEMSメモリを扱えるようなので1024KBはRAMディスクに確保せず残しています)

MS-DOS起動時に外部からファイルを転送しますので外部にあらかじめFTPサーバとTFTPサーバを立ち上げておく必要があります。

イーサネットの準備

イーサネットに接続できるようにPC-9801DXにLANカードを取り付けます

私は今でもメーカからドライバが入手できるLGY-98を使いました
設定関連はソフトから変更するようでDIPSWやジャンパピンはなさそうです

LGY-98はトランシーバーポート, 10BASE-2, 10BASE-Tの付いた豪華モデルもありますが、私の持っている機種は10BASE-2のBNCコネクタしか無いので同軸ケーブルで接続します。

HUBはお気に入りのアライドテレシスのMR820TRXを使います。
このHUBは10BASE-2でも直接接続できますが、ここはノスタルジーにマイクロトランシーバBLACKBOX(LE2006A )で受けてみます。


アライドテレシスのマイクロトランシーバ(MX10)も一つ持っていますがステータスLEDで送受信が確認できないのでBLACKBOX(LE2006A)の方が好きです


Windows側は10BASE-Tで普通に接続しました^^

やはりMR820TRX最強!

▼LGY-98のインストール

ドライバーの入手
令和になってもメーカのサイトからDLできます^^ (すごい!)
http://buffalo.jp/download/driver/lan/lgy-98.html
こちらからカード設定ソフトとパケットドライバーを使います

LGY-98の設定確認
MELCHK.EXEを実行しI/Oポートアドレスと割込みレベルを確認しておきます
診断結果が「正常」になっていることも確認しボードが故障していないこともついでに見ておいたほうが良さそうです


設定を変更する場合はLGYSETUP.EXE(LGY-98設定プログラム)のボードの設定で変更できるようです

LGY-98の設定はI/Oポートアドレスと割込みレベルの2種類でした。
(私は中古で入手したときの設定のままで使いました)

HUBとの接続

MR820TRXにマイクロトランシーバ経由で接続しました。
接続イメージはこんな感じ。
PC-9801DX — LGY-98 — LE2006A(10BASE-2) –MR820TRX — 10BASE-T — Windows10(FTPServer)

パケットドライバの導入
PKTDRVフォルダのLGYPKT.COMをAUTOEXEC.BATに登録して自動起動させます

A:\LGY98\PKTDRV\LGYPKT 0x60 3 0x40D0 の1行を追加

引数1の0x60は固定
引数2の3は設定確認で確認した割込みレベル INT0はIRQ3
引数3の0x40D0は設定確認で確認したI/Oポートアドレス
これでLGY-98用のパケットドライバが起動しました。

CentreNET PC/TCPカーネルの導入

アライドテレシス CentreTCPのTCPカーネルETHDRVを実行します。
PCTCP.INIとHOSTSの2つのファイルに設定が必要でした。

▼PCTCP.INIの設定を変えたところ

[pctcp general]
host-name = PC98DX
user = fe

[pctcp ifcust 0]
ip-address = 192.168.0.221
subnet-mask = 255.255.255.0

自局のホスト名とIPアドレスの設定が必要でした。

▼HOSTSの設定を変えたところ

192.168.0.7 RZ7WS
192.168.0.221 PC98DX

自局と接続先のIPアドレスとホスト名の設定が必要でした。

ETHDRVをAUTOEXEC.BATに登録して自動起動させます。

SET PCTCP=A:\PCTCP\PCTCP.INI
A:\PCTCP\ETHDRV

AUTOEXEC.BATでパケットドライバとイーサネットドライバを常駐させてしまうと便利です。

上記の設定を行いMS-DOSを再起動すると
メルコのLGY-98用のパケットドライバが常駐します

LGY-98のソフトで設定したI/Oアドレスと割込みレベルになっていればOK

CentreNET PC/TCPのイーサネットドライバがロードされるとこんな感じです

LGY-98にパケットドライバが認識されていればOKです

これでTCP/IP通信ができるようになったっぽいのでPINGを試してみると問題なくOKでした

FTPサーバのIPアドレスが192.168.0.7なのでPINGを打ってみます
(連続実行は -t オプションでした)
ここまで整備しておけば、あとはFTPやTFTPはコマンドを実行するだけで使えます。

CentreNET PC/TCPのFTPの使い方

FTPの起動
FTP サーバーIPアドレス で起動もしくはFTPで起動後ホストIPを入力してログイン
>FTP 192.068.0.7
起動したらパスワードを入力しログイン

ログインできたら一通りのコマンドが使用可能でした。


?でコマンド一覧が出ます。

一通りのコマンドは揃っているようです
FTP操作終了はのBYEで切断

バッチファイル内でFTP等のログインなしで使えるFTPとしてTFTPがあるようです。
今回はAUTOEXEC.BAT内で自動でファイル転送したいのでTFTPでファイル転送したいと思います

TFTPの使い方
TFTPサーバからコピーしたいファイルを引数で指定
TFTP {GET|OVERWRITE|PUT} ローカルパス ホスト名 リモートパス
>TFTP C:\TEST.TXT 192.168.0.7 TEST.TXT
TFTPはファイル転送が終了したらそのまま終わります

これでLGY-98経由でTCPを使いイーサネットで通信できるようになりました^^

1.2MB以上のフロッピに入りきらないファイルの転送やソースファイルを直接Gitやsvnで管理できるのは便利です。


当時はRAMが高価だったのでRAMディスクは贅沢品だったと思いますが、今となっては中古で安く入手できるのでこのような使い方もいいのではないでしょうか

起動時にRAMドライブに必要なデータを転送しリモートブート風にRAMディスクメインで便利に使う方法は次回投稿します。

そんなバッファローのLGY-98とアライドテレシスCentreNET PC/TCP Ver6活用の記録・・・

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